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広島高等裁判所 平成8年(行コ)3号 判決 1998年7月16日

広島市東区光ケ丘字天神谷一〇一番地の三二

控訴人

有限会社光苑

右代表者代表取締役

脇本泰典

右訴訟代理人弁護士

河村康男

大迫唯志

野曽原悦子

同市中区上八丁堀三番一九号

被控訴人

広島東税務署長 木原昭三

右指定代理人

内藤裕之

大原邦夫

山﨑保彦

下方宏展

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一控訴の趣旨

一  原判決を取り消す。

二  被控訴人が昭和六三年四月二八日付けで行った、控訴人の昭和六一年八月一日から昭和六二年七月三一日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をいずれも取り消す。

第二事案の概要

原判決の「第二 事案の概要」の記載を引用する。ただし、一一頁三行目の「被告」を「控訴人」と改める。

第三争点に対する判断

一  原判決の「第三 判断」の記載を引用する。ただし、次のとおり付加訂正する。

1  五五頁三行目の「昭和六〇年」を「昭和五九年」と改め、六一頁一行目の後に改行して「前掲証拠(原判決四八頁)及び弁論の全趣旨によれば、本件事業の展開に関して、以下の事実が認められる。」を加える。

2  九九頁五行目から一〇〇頁二行目までを「用がある旨の説明を受けたと主張するが、本件墓地事業の主体は既に述べたとおり控訴人であり、法人である控訴人が、自己資金(銀行からの借入金)により土地を取得し、これを墓地に造成する等して価値を付加したうえ、当該墓地の永代使用権を販売し、永代使用権を購入した者は当該墓地に墳墓を設置して当該墓地を長期間使用することができるのであるから、右永代使用権の販売は、賃借権類似の土地使用権設定行為であると認められ、したがって、本件は右説明の場合には該当しないので、永代使用権の販売について、土地重課規定が適用されることは明らかである(なお、前記(原判決第三の一2(四))のとおり、永代使用権利証の交付手続は、控訴人が不特定多数の顧客から受領した墓地使用申込書と所定の額の金員とを正廣寺に持参すると、正廣寺は即日永代使用権利証を控訴人に交付し、これを控訴人が顧客に交付するというものであるが、顧客は不特定多数であり、しかも宗旨、宗派を問わないために、控訴人が事前に顧客の選別、諾否について正廣寺に相談することはなく、また、そうであるから控訴人が契約した顧客に対して正廣寺が右権利証の交付を拒否することはなかったのであり、以上によれば、正廣寺が永代使用権利証を交付する行為は形式的なものであったというべきである。)。

以上のとおり、控訴人のこの点に関する主張も理由がない。」と改める。

二  そして、当審における主張立証も右認定判断(原判決引用)を左右するに足りない。

第四  よって、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 東孝行 裁判官 菊地健治 裁判官 河野清孝)

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